むち打ち症、長年の頭痛、痺れが緩和

茨城県土浦市　若葉接骨院　伊藤清明　院長

２０代後半の女性の症例です。１０代後半から頭痛、肩こりがひどく、その後交通事故にも遭い、むち打ち症になったそうです。
もともと首が弱く、たびたび天候や気温、気圧の変化により首から左手にかけて痺れも出ていました。そこに追い打ちをかけるように後続車に追突され、さらに首を悪化させてしまったそうです。
元から頭痛持ちであったにも関わらず、事故後からは鎮痛剤を飲まなければ日常生活を送ることができないほどつらい頭痛に悩まされています。頭痛外来をはじめ、整形外科、カイロプラクティック、接骨院、整体院など、人からよいと言われるところに一通り行ってみたそうですが、一向に良くなる兆しは見えてこなかったそうです。

手足の痺れはむち打ち症によるものであり、首が原因なので、首が良くならない限り治らないと病院で言われていました。
頭痛外来では痛み止めの薬を数種類出されましたが、これを飲んでも一時的に痛みが楽になる程度で根本的に治っている感じはないということでした。胃腸も強い方ではなく、痛み止めの副作用で胃炎も起し、胃腸科にも受診していました。

知人の紹介でビワの葉温灸の存在を知り、当院を受診しました。来院当初は色白で元気もありませんでした。薬による胃炎から食べる量も少なくなったので、体重はここ２年間で８キロほど減ったとのことで、かなり痩せ細っていました。
当院ではビワの葉温灸を主軸として、併せて鍼治療、漢方薬を使用しての施術を開始しました。一番困っているのは頭痛ですが、４回の施術で症状はかなり落ち着き、頭痛による痛み止めを飲むことがなくなりました。
痛み止めを飲まなくなると胃への刺激や負担も軽減し、胃炎の状態も徐々によくなってきています。

頭痛の原因は昔からの影響も考えられるので、首への施術もしっかり行っています。現在施術は８回目ですが、頭痛はまったく出ていません。
左手の痺れは半分にまで軽減しています。むち打ち症は人によって施術回数に差があり、一気に改善に向かう人もいれば、薄紙を剥ぐように少しずつよくなる人とさまざまです。
この女性の頭痛は、痛みの部位が日によって変わることはなく、常に左右のこめかみから側頭部にかけてです。つまり原因は気滞や気虚というより瘀血(おけつ)が絡んでいます。頭部瘀血(おけつ)です。

頭の瘀血(おけつ)には、三陰交(/rp>さんいんこう)、陰陵泉(いんりょうせん)、労宮の圧痛の有無がとても重要になります。
首の疾患の基本は中脘(ちゅうかん)、下脘(げかん)、上脘(じょうかん)、気海、関元であり、さらに魚際(ぎょさい)の圧痛の有無と然谷(ねんこく)の圧痛の有無が施術のカギとなります。当院ではこの魚際と然谷の圧痛の有無で自律神経機能の調整も行ってしまいます。
左手の痺れに関しては、経絡で追うやり方もありますが、首の状態が正常値にまで回復してくれば、経絡で追わずとも自然と痺れが消失するケースも多いです。
この患者の場合、８回の施術で手の痺れが半分消失しているので、おそらくこのまま行けば後数回の施術でさらに痺れの回復が期待できると思います。

慢性の頭痛、首の痛みや手の痺れなどで長年悩んでいる人のほとんどが消炎鎮痛薬を常用しています。
鎮痛剤などは一時的に痛みを緩和させるだけで根本的に治すためのお薬ではありません。ビワの葉温灸のような東洋医学は、体全体からその人の体質を改善させるように働きかけてくれます。
人によって体質改善に時間を必要とすることもありますが、根本的治癒を目指すことができる素晴らしい伝統医療です。
体調の悪い時には鎮痛剤を使うことも必要だとは思いますが、痛みを起こす以前の状態にまで体質を戻していくことがとても大切だと思います。
体質改善の一つの手段として、ビワの葉温灸の存在は非常に大きいと常々感じています。

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茨城県土浦市烏山４−１９３５−１１
ＴＥＬ：０２９−８４２−１５８２
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（ 『ビワと健康』 　２０２４年７月１５日号）

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