脊柱管狭窄症による歩行困難の改善

茨城県土浦市　若葉接骨院　伊藤清明　院長

ビワ温灸で脊柱管狭窄症による歩行困難が改善された事例を紹介したいと思います。

この患者さんは７０代後半の男性で、３年前から長く歩くとふくらはぎに痛みと痺れが出現するようになったそうです。
歩行中にその症状が現れるとそれ以上歩けなくなり、その場でしばらく立ち止まって休憩を入れると再び歩けるようになる、ということの繰り返しだそうです。
医学的にはこの現象のことを間欠性跛行といいます。
病院を六ヶ所受診しましたが、いずれも「脊柱管狭窄症から来る間欠性跛行でしょう」という診断で薬を処方されました。更にリハビリを勧められ、毎日通いましたが殆ど効果がありませんでした。
更に足の痛みのせいで歩く距離が短くなり、ついに５分以上続けて歩くことができなくなりました。間欠性跛行がひどくなったことを病院側に伝えたところ、手術を勧められたそうです。

この患者さんは元々心臓が悪く、心臓の手術をしていました。そのためこれ以上の手術には抵抗がありましたので、痛みを我慢する生活をしていました。
ただ日常生活で一番困ってしまうのは、奥様と一緒にスーパーで買物をする時だそうです。スーパーの中を歩いている途中でも間欠性跛行の症状が出てしまいます。
些細な歩行でも困難となり、行動範囲も行動パターンも少なくなっていましたが、知人の紹介で当院を知り、来院されました。

当院では今までにも脊柱管狭窄症の方を多く診てきており、この患者さんの主訴である間欠性跛行に対してもビワ温灸が有効であると判断しました。患者さんの意向もあり、早速この日から施術を開始することになりました。
患者さんの主訴は脊柱管狭窄症による間欠性跛行の改善で、できるだけ長く、せめて20分以上歩けるようになりたいということでした。

結論から言いますと、当院で２回目の施術をした時には２０分以上歩けるようになりました。５回目の施術時には時間を気にせず歩き続けることができるまでに回復しています。
現在も２週間に一度のペースで施術に来ていらっしゃいますが、奥様と一緒にスーパーだけではなく、花見や魚釣りなどを楽しみ、日常生活を不自由なく過ごしているそうです。

脊柱管狭窄症は施術法があまり確立していないようです。当院には、とにかく長く歩けるようになりたいということで他県からも患者さんがいらっしゃっています。
実際の施術ですが、当院ではビワ温灸と鍼治療を併用して行います。この両者を組み合わせることで、脊柱管狭窄症に対して結果を出しています。
ビワ温灸では、特に太陽膀胱経の流注に沿って、筋の硬結と筋の緊張のある場所を狙い撃ちしていきます。したがってどこのツボに当てるということではないのです。鍼治療では体全体の気・血・水を整えていく処置を十分に行っていきますが、これがとても重要です。

私は脊柱管狭窄症で本当に手術が必要な方は一割以下で、ビワ温灸を試してみる価値は十分にあると思っています。
間欠性跛行も改善されやすいので、脊柱管狭窄症の症状で手術を勧められている方にも、ぜひ手術をする前にビワ温灸を試していただきたいと思います。

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茨城県土浦市烏山４−１９３５−１１
ＴＥＬ：０２９−８４２−１５８２
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（ 『ビワと健康』 　２０２１年１１月１５日号）

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