急性副鼻腔炎が一晩で治る

福岡県宗像市　びわの葉温熱療法サロン ここ　姉川政子　さん

昨年の秋頃のことです。ある晩、向かいに住む娘が、「お母さん、ビワを当てて」と悲痛な顔をしてやってきました。「ちょっと上がりなさい」と言うと、首の後ろを押さえながら上がってきました。私が見てもわかるぐらい右の頬がパンパンに腫れており、目も重そうでした。
とても辛そうだったので、「どうしたの？」と話を聞くと、３〜４日前から少し風邪気味で、鼻が詰まって息苦しかったそうです。そして、その日になって首の後ろや頭がすごく重く、目の奥や頬が痛くなり、気分が悪くてたまらないというのです。思考力も落ちてきて、「お母さん、何とかして」と言って、倒れ込むように横になりました。

その様子を見て、これは急性副鼻腔炎になっているのではないかと思いました。
顔の骨の中に鼻腔につながる四対の空洞があり、それを副鼻腔といいます。額の裏の前頭洞、目と鼻の間の箭骨洞、頬の内側の上顎洞、鼻腔の内側の蝶形骨洞の四つです。
そこに埃やウイルスなどの異物が入り、本当はそれを出さなければいけないのですが、酷くなると鼻水がドロドロに固まり、鼻の中の繊毛に絡まります。その結果、副鼻腔の入り口が小さいために塞がってしまうのです。

それを娘に説明すると、痛みの個所といい、症状といい、その通りでした。それで、これは副鼻腔炎になっているなと思いました。
ただ、慢性の副鼻腔炎の場合は鼻汁が喉のほうに落ちてくるのですが、娘に聞くと「それはない」ということだったので、少しホッとしました。

顔と首・背中のツボにビワ温灸

温灸器が温まってきたので、まず両方の頬から当てました。右の頬がブワッと腫れあがっていたので、ちょっと押してみたのですが、明らかに膿がたまっているような感触でした。これは気持ちが悪いだろうと思ってビワ温灸を当てたのですが、熱もエキスもツボに入らない感じで、「熱い、熱い」と言うのです。
副鼻腔炎に限らず、ガンの人でもビワ温灸を当てた時に「熱い、熱い」と言います。これは経絡が詰まって、熱もエキスも入ってないときです。
経絡が開いてくると、二十秒ぐらいで当てたところが真っ赤になり、いいタイミングで「ハイ、ハイ」とおっしゃるのですが、娘の頬に当てた時は非常に熱がって「熱い、熱い」と言いました。それで、これはちょっと辛いだろうなと思いました。

それから、顔面にある副鼻腔炎のツボに当てました。まず、おでこの生え際中央の指一本上にある上星(じょうせい)のツボ、これは副鼻腔炎の特効ツボといわれます。そこに当てると「お母さん、ここ気持ちがいい」と言いました。それで、何回も何回も当ててあげました。
さらに小鼻の脇にある迎香(げいこう)、左右の眉の間にある印堂(いんどう)、左右の眉頭の下にある攅竹(さんちく)、目の下にある四白(しはく)、これらのツボも丁寧に当てていきました。（顔のツボ）
そして俯せにさせて、まず首の後ろにある瘂門(あもん)、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)。それから肺兪(はいゆ)や身柱(しんちゅう)など、首から肩、背中にかけてのツボを何回も何回も当てていきました。（首・背中のツボ）

それから、これは私のやり方なのですが、温灸器を両方の手に持って、鼻の穴にエキスが入るように、小鼻を温灸器で挟みます。これは下手をすると温灸器が頬に当たって患者さんが熱がりますから、上手に鼻の穴を押さえるようにして、エキスと熱が入るようにスウッと吸わせます。そうすると、鼻の通りがすごく良くなるのです。
そして、鼻から息を吸ってごらんと言ったのですが、「無理、無理。鼻が詰まっているから吸えないよ」と言って、本当に苦しそうでした。まだ無理だなあと思って、さらに何回も何回も当てていきました。

ビワ温灸で効果てきめん

しばらくすると、娘が「ああ、お母さん、少し楽になった気がする」と言いました。「鼻が通りだしているかもしれない。ちょっと鼻をかんでみていい？」と言って、起き上がりました。そして鼻をかんだのですが、まだ片方だけが詰まっているような感じで、「やっぱりダメだ。まだ詰まっている」と言いました。
そんな感じで小一時間、一生懸命施術しました。すると娘が起き上がって、「だいぶん楽になった。首の重たいのも軽くなってきたし、気分もよくなってきたみたい」と言いました。
顔を見たら、顔色も赤みが差していました。来た時よりもスッキリしたような感じで、「ありがとう」といって帰っていきました。

そして次の朝、娘がやってきて、「お母さーん、ありがとう」と言うのです。話を聞くと、あの後、それこそ脳みそが全部流れ出てきているんじゃないだろうかと思うぐらい、鼻をかんでもかんでも黄色いドロッとした鼻汁が出てきたそうです。「こんなに溜まっていたのなら苦しいはずよね。スッキリした」と。
「首とか頭とか、目の奥の痛みはどう？」と聞くと、「もう全然、どうもないよ」と首を回してみせます。「軽くなって、本当にスッキリした。お母さん、本当にありがとね」と明るい声で言いました。それ以来、鼻が詰まることはないようです。

もともと娘は花粉症があったので、疲れなどと重なって今回に至ったのだろうと思います。下手をしたら慢性副鼻腔炎になっていたかも知れませんが、早めにビワ温灸をしたおかげで酷くならずにすみました。
娘曰く、「それにしてもビワってすごいね。一発でよくなるんだね」と。「ビワで救われた」と笑顔を見せてくれました。

◎びわの葉温熱療法サロン ここ
福岡県宗像市池田３１００−２１
ＴＥＬ：０９０−７２９０−６０８５
◎「サロン ここ」に関する体験談
（ 『ビワと健康』 　２０２０年８月１５日号）

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