冷えと生理痛をしっかり改善

福岡県宗像市　びわの葉温熱療法サロン ここ　姉川政子　さん

今年の１月、冷えと生理痛と生理不順が気になるという４１歳の女性がいらっしゃいました。

背が高くて色が白く、すごくきれいな方だったのですが、「こんにちは」と入って来られた瞬間「ん？」と違和感を覚えました。何か底力がない人だな、と思ったのです。そして、その理由はすぐに分かりました。
私は、初めて来られた方には、カウンセリングをするときにチャート診断書といって、陰陽五行の五経絡のチャートを調べます。すると木（肝）が二点、火（心）が一点、土（脾）が二点、金（肺）が三点、水（腎）が三点でした。
それを見て、「なるほど、これは冷えもあろうし、生理痛もあるでしょうよ」と思いました。腎臓の点数が多いと冷えや腰の痛みなどいろいろ出るのです。
そして体温は３６度２分しかありませんでした。

カウンセリングで普段の生活や食事について聞いていったのですが、この方は月に２回ヨガに行かれて、もう５年になるというのです。５年もヨガをしていて、この体温と冷えはおかしいだろうと思いました。

食生活の問題

それで食生活について「野菜はどんなのを食べてる？」と聞くと、トマト、キュウリ、レタス等を食べていると言われました。おそらくそうだろうとは思っていたのですが、１月の寒い最中にです。
そして、最悪だったのが、１月なのに毎日スムージーを飲んでいるというのです。
しかも、毎日野菜を洗ってスムージーを作るのが面倒だから、冷凍した野菜をそのままスムージーにするというのです。鳥肌が立つぐらいビックリしました。でも、ご本人は「野菜を摂っている」という意識しかなかったのです。

「根菜類は食べている？」と聞くと、「根菜類ってなんですか？」と。これにもビックリして、「大根とかレンコンとかゴボウとか、そういった土壌の中で育つ根物のことよ」と言ったら、「わあ、いつ食べたかな〜。食べてないなあ。どうして食べたらいいですか？」と聞かれ、これにも本当に驚きました。
毎日ビールやワインを飲むというので、それは体も冷えるし、生理痛や生理不順も起こすだろうと思いました。

生理は順調ですと言うので、「血の塊とか出ない？」と聞くと、「手のひらぐらいのレバーみたいなのが毎回出るんですよ」と言われました。
冷えや生理痛のある人はレバーのような血の塊が出るのですが、これは瘀血(おけつ)です。本来、女性の体の仕組みからいくと、生理痛や血の塊は出るわけがないのです。
肺の点数も高かったので、「痰とか出ない？」と聞くと出ると言われました。つまり気血水が循環しきってないのです。
それと典型的な症状ですが、振水音といって、胃のあたりを抑えるとチャプチャプという音がしました。体の中の水分代謝が巡ってないので、お腹のあたりが冷たくなります。

ところで、私のサロンでは２ヶ月に１回ぐらい、毛細血管の観察会というのを行っています。
マイキュレーターという特殊な顕微鏡のような機械を使って毛細血管を観るのですが、高血圧や低血圧、冷え、糖尿病はもちろん、アレルギーやガンの人も顕著にわかります。
ちょうど彼女が来られた日は毛細血管観察会の真っ最中でしたので、彼女と一緒に観てみることにしました。
すると、本来はまず代謝線が現れて、その下に毛細血管が映るのですが、彼女は代謝線がありませんでした。だから代謝が落ちていたのです。
毛細血管はちゃんと映っていたのですが、真っ黒けで血流が流れていません。要するにドロドロ、ベタベタの瘀血(おけつ)でした。

「先生、これ、どういうことですか？」と言うので、「冷えがあるから、代謝が落ちているのよ」と、一つ一つ丁寧に説明してあげました。
「食事にも気をつけているし、スムージーも飲んで、ヨガもしているのに、どうして？」とショックを受けていました。
「私はファスティングもしています」というので、「どんなファスティングをしているの？」と聞くと、ご多分に漏れず、糖質制限とか、そういうものです。「それは違うでしょう」と思いましたが、本人はよかれと思って、長年しているのです。

ビワ温灸でびっしょり汗をかいた

それからビワを当てていったのですが、私は施術の前にまずお腹を触って、お腹の冷えや硬さを見ます。
それから手のひらや足の裏を触ります。それは手や足が冷たいとか、汗をかいているとかを調べるためですが、この方は足の裏にすごく汗をかいていました。
冷えの人の特徴ですが、冷たくてジトーッとしているのです。これは水分代謝が回ってない為で、足の裏が湿って冷たくなるのです。
ビワを当てると、大体２０秒ぐらいのいいタイミングで、「ハイ」「ハイ」とおっしゃるので、「ああ、いいな」と思ったのですが、赤くなりません。自分が「ハイ」というタイミングが掴めてないのかな、と思ったのですが、当てているうちに少しずつ赤くなってきました。
腰のほうは、お腹が冷えているから、まったく入りませんでした。「まだ？」というぐらい赤くならないのです。それでもだんだん当てているうちに、いいタイミングで「ハイ」「ハイ」と言い始めました。

そして、初日の施術では驚くほど汗をかかれました。私のところでは施術のベッドにマットを敷き、その上に施術用のバスタオルを敷いているのですが、マットもバスタオルも取り替えないといけないほどビッショリ汗をかかれました。下着もビショビショで、このまま帰すと風邪をひくと思い、背中にタオルを入れてあげました。
彼女はカウンセリングのとき、自分は汗をかかないと言っていたのですが、「こんなに汗をかいたのは初めてです」とビックリされていました。本人もパアッとほほに赤みがさして、とてもうれしそうに喜んでいました。
そして、足の裏を触るとサラッとしていました。巡ってなかった水を汗として出し切ることによってサラッとなったのです。
その方に「足の裏を触って」というと、「ああ、私、いつもジトッと汗ばんで、靴下も湿っぽくなるけど、サラッとなりました」と喜ばれました。

それから食生活について、根菜類や体を温める、例えば黒ゴマや小豆、玄米などを食べるようにアドバイスしました。スムージーもこの時期はやめて、野菜を摂りたければ野菜スープにするように言いました。ファスティングも無理はせず、ほどよい間隔でするようにしてもらいました。
そう言えば、これだけ冷えがあるから便秘もしているだろうと思って聞くと、「毎日、主人と腸内浣腸をしているので、便秘はしてません」と言われるのには本当に驚いてしまいました。
「ああ、だからこの人は底力がないんだわ」と思って、「自然に便が出るよう、体質改善しようね」と言いました。
それから毎週１回の割合で通ってもらいましたが、最初の２〜３回はビッショリ汗をかかれましたが、その後は着替えるほどの汗はかかなくなりました。
体温も、４回目ぐらいから３６度５分くらいに上がりました。

ビワ温灸のポイント

ビワ温灸を当てる場所ですが、まず仰向けになってもらい、お腹の中脘(ちゅうかん)、大巨、関元などに入念に当てます。
次にうつ伏せになってもらい、お尻から腰にかけて基本のツボの腎兪や脾兪、大腸兪などを入念に当てていきます。上から下まで当てていくのですが、冷えも生理痛も同じで、腰を温めることが大切です。
痰が出るので肺兪、心臓もチャートが高かったので心兪なども入念に当てました。
それから湧泉などの足の裏と女性特有の疾患で三陰交にも当てていきます。
自律神経もかなり乱れていたので、クビの後ろの風池、天柱、亜門など。そしておでこのあたりにも入念に当てていきました。

そして２月２９日に来られたときは、うちに来られるようになって２回目の生理日でした。
その日は２日目で、彼女は最初から生理痛があると聞いていたので、「生理痛はどう？」と尋ねると、「少し楽になりました」と言われました。「血の塊は？」と聞くと、「それがですね、先生」と言うので、ビックリして「どうしたの？」と聞き返すと、「塊が出ないんですよ」と言われました。
足の裏の汗もだいぶんよくなって、以前は１日に２回ほど靴下を履き替えていたそうですが、今は汗はかくけど靴下を履き替えるほどではないと喜んでいました、
「冷たいスムージーはやめました」というので、「当たり前よ」と笑いました。
本当に見本のような方でしたが、東洋医学のことも分かってくれたみたいで、今はずいぶん調子がよくなっています。

◎びわの葉温熱療法サロン ここ
福岡県宗像市池田３１００−２１
ＴＥＬ：０９０−７２９０−６０８５
◎「サロン ここ」に関する体験談
（ 『ビワと健康』 　２０２４年５月１５日号）

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