衰弱した老犬が元気な姿を見せてくれた
北海道恵庭市 はり灸 樂真呂 及川真澄 院長
高齢と病気ですっかり弱っていた老犬がビワ温灸で元気な姿を取り戻した症例をご紹介したいと思います。その子は１４歳になるメスの秋田犬でした。もともと外耳炎などあり、高齢で体も弱っていたことから、漢方薬とかいろいろやっていたそうです。
今年の３月、その子が胃捻転になり、食事が食べられないという状態が続き、ビワ温灸をさせてもらう事になりました。
温灸はお腹とか背骨のラインに当ててあげ、ちょっと前足とかにもしてあげました。温灸中はスヤスヤ寝ていて、おとなしくちゃんと受けてくれました。
１回めの温灸の後、呼吸が落ち着き、トイレもおしっこがいっぱい出せるようになりました。
その後も毎週ビワ温灸を続けたのですが、４回目に伺ったとき、飼い主さんから「３回目の温灸を受けた後、今まではお散歩に行くのも自分がトイレをすることだけに集中して外に行っていたのが、周りを見たり、匂いを嗅いだりしたりする余裕ができて、楽しそうにお散歩することができるようになりました」とお話がありました。
それまで、ワンちゃん自身は「お散歩したくないな」という感じだったそうです。それでも、「トイレだけはちゃんとしなきゃ」と思って散歩をしていたようなのですが、楽しくお散歩できるようになったのです。
胃のほうもずいぶんよくなり、たまに胃の調子が悪くなって食事ができないというということもありましたが、以前ほど長引かずに回復するようになりました。
そして７回目ぐらいだったと思います。その子は若い頃、女の子なのに足を上げておしっこをしていたそうですが、思い出したように足を上げておしっこをしようとするようになったそうです。
そういう感じで９月までビワ温灸をさせていただいていたのですが、９月末に急変し、亡くなりました。急変したときは胃腸の調子が悪くなって、吐いたりもしたそうですが、それほど苦しまずに済んだそうです。
「思ったより苦しまなかったのは、温灸をしていたからかな」と飼い主さんもおっしゃっていました。
そのお宅には他にも１４歳になる柴犬の子がおり、飼い主さんはその子たちのためにと温灸器を購入されました。
いつも寝ている感じの子でしたが、最後の頃は立って歩く姿もみせてくれてました。気力が出たというのか、「こんな姿もできるんだよ」と見せてくれた気がします。
飼い主さんからも、最後に元気になってくれてよかったという言葉をいただき、本当によかったなと思いました。
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（ 『ビワと健康』 ２０２２年１１月１５日号）
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