花咲き乳ガンからの生還

宮崎県宮崎市　ナチュラルグリーン　山崎ゆか　代表

私が初めて乳ガンになったのは１６年前のことです。
実家のある鹿児島の病院で手術を受けた後、化学療法を勧められたのですが、恐くて受けることができませんでした。
主治医の先生からは「すごくタチの悪いタイプだから、再発したら手術はできないよ。だから、やったほうがいい」と言われました。

でも、どうしてもしたくなくて、いろいろ調べるうちに長友明美先生を知り、ビワ温灸を受けました。
とても気持ちがよくて、「こういう気持ちいい治療法があるのなら、自分でいろいろやりたいな」と思いました。
それから自分でもビワ温灸を学び、食事療法などをしました。

乳ガンが再発

そして１０年余り経過した２０２０年、「あ、おかしいな」と体の不調に気づきました。
今思えばちょっと気が緩んで、知っているけどやってないことができたり、実家のことなどでストレスが多くなったりしていたと思います。
子育て期ということもあって、母として子どもたちのことに意識を使い、自分の体に意識が向いていなかったということもありました。

そして、コロナの最中の２０２０年６月には花咲き乳ガン状態になっていました。
転移もあって、腕のリンパ節から浮腫が広がって左胸の乳ガンとくっついて一体化しているような状態でした。後でわかったことですが、肺と骨にも転移がありました。
そして、ちょっとすごい出血があり、止まらなくなってしまったので、初めて病院に行きました。

病院に行って知ったのですが、１５年前に鹿児島の病院で主治医だった先生が、宮崎のその病院の院長先生になっていました。
先生は私のことを覚えてくださっていました。化学療法をしたくないということもご存じだったので、「どうして病院に来なかったの？」というようなことは一切言わずに受け入れてくれました。
花咲乳ガンはちょっとしたことでも出血するので、とりあえず出血しないようにするやり方を教えていただきました。
そして、「１５年前と抗ガン剤の状況も違うし、今までの抗ガン剤を使っていなければすごく効果があるかもしれない」と抗ガン剤での治療を勧められました。
その時は精神的にも弱っていましたし、コロナで人と会えないということもあったため、「それなら受けてみようか」と思ったのです。

心の大切さに気づく

ところが、やはり合わなくて、副作用がいろいろ出ました。食事がまったく取れなくなり、体重が急激に減りました。検査をして抗ガン剤が効いていないことがわかったため、１クール３回だけで終了しました。
退院する時には痛みも出ており、モルヒネ系の強い痛み止めを１日２〜３回飲むような状況でした。筋力が落ちてしまい、ベッドから起き上がることができず、車椅子に乗って退院しました。すでに緩和ケアの話が出るような状態だったのです。

ところが、自宅に帰ってしばらく経った時、それまで毎日のように飲んでいた痛み止めを２回ほどしか飲んでいないことに気づきました。その理由を考えていて気づいたのが「心の状態」でした。
入院していた時はちょうどコロナの真っ最中で、入院中は誰にも会うことができませんでした。友達はもちろん、夫でさえ荷物を持ってくるだけで、ほとんど話ができませんでした。
話をするのは医師と看護師だけで、会話の内容も「痛みはどれくらいですか？」とか、「吐き気はどうですか」といった内容が中心です。だから、痛みにばかり意識がいっていました。
でも、家に帰ってくると猫がいるし、病院では禁止されていた好きなアロマを使うことができます。音楽も耳元ではなく、ちゃんと大きく流すことができます。それで意識が痛みだけに集中しなかったのです。「もしかすると、脳の使い方を変えるとすごくいいかもしれない」という気づきがありました。
その頃はまだお箸さえ持てないほど弱っていましたので、本を読むことはできませんでした。それで、動画サイトで心が勇気づけられるような方のお話をずっと聞いていました。ただ横になって聞いているだけですが、薬を飲まなければいけないほどの痛みはありませんでした。

その頃、以前から飲んでいた水素のサプリメントを教えてくださった方から電話がありました。様子を聞かれたので「実はこういう状態で、緩和ケアのお話まで出て」とお話ししました。すると「僕の知っている人で、末期の人が集中して量を多めに飲んで、改善している人が何人かいるんだよね」と言われました。
私は体が動かないので食事療法もできず、ビワ温灸もできない状態でしたが、サプリだったら飲めるかと思い、教えられた通り多めに飲むことにしました。
ラッキーだったのは、花咲乳ガンは自分の目で状態を確認できることです。

１ヶ月ほど経った時、それまでジュクジュクして、ちょっと触ったら出血するという状態だっただったのが、表面にかさぶたができて一回り小さくなっていました。
その頃は訪問看護のナースが毎日来ていたのですが、「山崎さん、すごく小さくなったね。今やっていることを続けたらいいよ」と言われました。それで、引き続き同じように飲みました。そして、２ヶ月経った頃には明らかに小さくなっていたのです。

その頃から少しずつ動けるようになったので、それまでまったくできていなかった食養生を始めることにしました。材料をまとめて入れてトロトロするようなスープを作るところから始めました。
３ヶ月ぐらい経つと、ビワ温灸ができるようになりました。どうしても浮腫が治らなかったため、浮腫がある方の肩がバリバリになって痛かったのですが、ビワ温灸をするとすごく楽になりました。
そして４ヶ月経った頃にはマーカーが正常になっていました。その後も、今まで勉強していたけどやってこなかった生姜湿布を全身にしたり、夏には砂浴をしたりして、現在に至ります。
そして、今は自分の好きなことをどんどん自分にさせてあげるようにしています。

今回、前向きになる気持ちも「もうダメかもしれない」という思いも体に現れるということを自分で体験しました。心がすごく大切なことを実感し、治っていく過程の中では好きなことをどんどん自分にさせようと思うようになったのです。
それで、例えば着物の着付けを習いに行きました。実際には浮腫があって、自分ではきちんと着ることができず、先生が着せてくださるような形になるのですが、着た後にみんなで演奏会に行ったり、盆踊りをやったり、みんなとは同じようにはできなくてもすごく楽しくなります。
また、以前のようにガムシャラに仕事をすることはなくなったのですが、こういう状態でも相談したいという方が少しずつ来てくれるようになりました。
そういう方にアドバイスしたり、「ビワってこうなんですよ」と説明したりすると、ご自分で温灸器を購入し、自宅でされたりするようになっています。
そして、そういった人たちが周りの方たちに伝えてくださって、私が一人で一生懸命頑張らなくてもいい段階に入ったんだなということを感じています。

本人の希望が一番大切

今回の経験を通して、私自身の考え方もずいぶん変わりました。
例えば、よく「父親に抗ガン剤を打たせたくない」というお嬢さんからの相談があります。
そういう場合、以前なら「抗ガン剤、恐いですよね」という感じでお話していたのですが、今はご本人の希望が一番大事だと思うようになりました。
情報として伝えるのは大切ですし、お嬢さんの気持ちを伝えることも大事です。でも、それを聞いた上でどうするかを決めるのはお父さんです。そのほうが、どういう結果になってもお父さん自身が後悔しないと思うのです。
だから、頭からお父さんの意見を否定するのではなく、「こういう食べ物がいいよ」とか「こういうふうにして体を温めてね」という情報をいっぱい伝えてあげたらいいんじゃないかな、というお話をするようになりました。
家族が同じ方向性を向くと、それだけで本人も「よし、頑張ろう」という気持ちになるし、家族もサポートしようという気持ちになれます。

いろいろな方を見ていると、そうやって同じ方向性を向くことができた時によくなる方がいらっしゃるなと思います。また、抗ガン剤で副作用が出た時、ビワ温灸でダメージが軽くなったり、末期になっても、ただ見守ることしかできないのではなく、してあげることがあるということはすごく大きいことだと思います。
そうやってビワ温灸をしてあげながらの会話や交流の中で、感謝が生まれたり、いろいろなことがあったというような話を聞くと、本当に嬉しくなります。

◎ナチュラルグリーン
宮崎県宮崎市大王町６３−２
ＴＥＬ：０８０−５２５６−９１７０
◎ナチュラルグリーンに関する体験談
（ 『ビワと健康』 　２０２３年１１月１５日号）

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