スポーツによる少年の関節痛が劇的に改善

愛知県東郷町　たじま整体院　田嶋一雄　院長

ビワ温灸が関節痛に有効であることについては、皆さんもよくご存じのことと思います。特に当院では、ビワ温灸に整体やテーピング、ストレッチなどを組み合わせることにより、テニス肘・ゴルフ肘などスポーツ障害系の症状に対して、ほぼ確実に効果を上げています。
その顕著な症例として激しいスポーツによるテニス肘、そして股関節痛、激しい腰痛、膝痛が劇的に改善した少年の事例と、施術に当たってのポイントについてお伝えしたいと思います。

テニスプレイヤーを目指す少年

その少年が初めて当院に来たのは小学校５年生のときのことです。
もともとお母さんが、どこの治療院でも改善しなかった五十肩で来院され、私の施術ですっかりよくなったことから、私のことをとても信頼してくださっていました。

その少年は小学校２年生でテニススクールに入り、将来はテニスプレイヤーを目指していました。両親や兄弟もそれを応援していたそうです。しかし、ハードな練習のため肘や膝をはじめ、あちこちの関節の痛みを訴えるようになり、テニスが全然できない状態になってしまいました。
テニス肘にもフォアハンドのときに痛いフォアハンド・テニス肘とバックハンドのときに痛いバックハンド・テニス肘があります。彼はその両方だっただけでなく、さらに腰痛、膝痛、股関節痛などとても厳しい状態でした。

それでお母さんに連れられてきたのですが、結論から言うと、私の持っっている技術を組み合わせることで、肩、肘、腰、足首など、全て改善しました。
最初は股関節痛からだったのですが、股関節痛に関しては他で治らないケースでも１回でよくなるというぐらい自信があります。これはストレッチ系の整体がメインですが、局部的な痛みを取るためにビワ温灸を当てました。この時、ビワ温灸を数分当てただけで痛みがシュッと消えたというので、私もちょっと驚きました。
それから順次施術をしていったのですが、股関節や肩は１回、腰や膝は治りにくいのですが、だいたい数回で改善しました。

急性期の対応

施術内容ですが、まず痛めてすぐの急性期は応急処置ということになります。ここで有効なのはコールド・スプレー、アイスパック、テーピングで、私はアシックスのテーピング・ワークショップを修了しています。
テーピングのワークショップに参加しているのはほとんど理学療法士です。整体師で参加しているのは僕一人、非常に珍しいということで、実際の指導に当たっていたロンドン・オリンピックのテーピングの責任者がほぼつきっきりでいろいろ指導してくれました。

元気いっぱい

まずコールド・スプレーですが、３秒以上すると凍傷を起こします。ですから非常に注意して使わなければなりません。しかし、担ぎ込まれて、痛くて泣いているような人でも、２～３秒あれば「あれ？」というほど痛みを軽くすることができます。
実際に使うときは、患部の上にサラシを置き、その上からしても大丈夫です。

それからアイスパック。これは下敷きの半分ぐらいのサイズのものを冷蔵庫に入れて準備します。これを患部に当てて１５分間冷やし、１０分間インターバルを空けて、また１５分間冷やす。それを３回ぐらい繰り返すと、痛みがほとんどなくなります。

そしてテーピング。痛いところを不用意に動かさないよう固定するのですが、ただグルグル巻けばいいというものではありません。そのテクニックはスポーツメーカーなどがそれぞれ持っているのですが、私はアシックス流のテーピングを学びました。これを使うと、ほぼ１００パーセントの効果があります。
急性期は冷やさなければならないのでビワ温灸が使えませんが、エキスを塗ることはできます。急性期でも慢性期でも使えるというのが、ビワエキスの一番の長所だろうと思います。

慢性期の施術

２週間程度の急性期が終わると慢性期になります。これまで冷やしてきましたから、今度は温めないと血流障害を起こしてしまいます。
慢性期に移行すると、まず優しくソフトなマッサージ、それから優しいストレッチ、とにかく軽く軽くやって、テーピングで固定します。

ここでビワが本格的に登場します。この時点でも痛みは残っているので、患部を特定します。例えば腰痛が酷い場合、指で軽く触ると「痛い！」という場所が４ヶ所か５ヶ所あります。そこにマジックでマーキングをしていって、ビワ温灸を当てるのです。
これにプラスして、ホットパックを使う方法があります。接骨院などで使われているので、同じものを使うといいでしょう。
ポイントは、まずビワエキスを塗ることです。ビワ温灸は点で狙いますが、ホットパックは面になりますから、マーキングしたところ以外でも、例えば腰なら腎兪、心兪の辺りから仙骨辺りを意識します。

さらに肝腎要（かんじんかなめ）というように肝臓・腎臓は重要ですから、その辺りにも塗っていきます。その上からサラシを当てて、ホットパックを載せるのです。
動いてもホットパックが落ちないような固定ベルトも市販されています。患者さんの中には俯せになれないような方もいますが、固定ベルトを使えば座った状態でも当てることができます。
この時、エキスを浸透させるために、痛みを感じさせない範囲で軽擦（軽いマッサージ）をするとよいでしょう。その上でビワ温灸をすると非常に効果的です。

施術の効果

少年が初めて来たとき、痛いところをマークしていくと１５ケ所もありました。
そこからがビワ温灸の出番で、痛いという場所を一つ一つ当てていって、ストレッチ系の整体、テーピング等を組み合わせて、結果的にそれぞれ数回で治ったというのはすでに述べた通りです。

現在は中学２年生になりますが、すっかり元気になって、毎日激しいテニスの練習を続けています。
練習内容はずいぶん厳しくなっていますし、オーストラリアへの短期海外遠征にも参加しているにも関わらず、１年以上来ていません。
お母さんは毎月来ているのですが「おかげで息子の練習はどんどん激しくなっているけれど、何も言ってきません」とおっしゃっていました。
本人は「痛くなったら田嶋先生のところに行けばいいから」と、全力投入しているそうです。

◎たじま整体院
愛知県愛知郡東郷町御岳２－６－１９
ＴＥＬ：０５６１－３８－３３８７

◎「たじま整体院」に関する体験談

（『ビワと健康』　２０２２年５月１５日号）

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