終末期のガンの方が変わりなく前向きに
長崎県長崎市 せらくいん 福浦さゆり 代表
私が今施術させていただいている方の中に終末期でホスピスを紹介されたという方がお二人いらっしゃいます。お一人は６０歳、お一人は７０歳の女性です。お二人とも乳ガンで、�鹸�と言われています。７０歳の方は病院の治療はすべて終わり、することはないと言われています。６０歳の方も抗ガン剤などは終了し、ホルモン療法だけを続けています。
でも、ビワ温灸をしたり、食事を変えたり、気持ちの問題も見直されたりするなど、いろいろ自分で取り組めることをコツコツ続けていらっしゃいます。
治ったというわけではありませんが、来られるようになって数ヶ月たった今もお変わりなく過ごされています。うちに来る時も、ご自分で車を運転されています。
お二人が来られるようになったきっかけは、私が続けている講演会（※ガン生還者に学ぶ会）に参加されたことです。
講演会では�鹸�や再発など厳しい状態からの生還者に体験談を話していただいているので、同じような状況の人も参加されます。そういう方が「ああ、自分でもできることがあるんだ」とビワ温灸に関心を持ち、後から連絡をいただくことがあります。
そして、実際にビワ温灸をして差し上げると、「体全体が温まって楽になるから自分でも購入したい」と言って、ご自宅でも毎日温灸をされるようになったりします。このお二人もそうで、温灸器を購入して、毎日４０〜５０分ほど温灸をしているようです。
うちには月に１回ほど来られます。私のほうから来てくださいと言ったことはありませんが、私自身がガン体験者なので、いろいろ話をしたいことがあるようです。
家族に話すと心配をかけるだろうし、他人にはなかなか言えないし、だから体験者の人に話を聞いてもらいたいという気持ちがあるのではないでしょうか。
施術は全身の基本ツボを一通りやり、それから普及会で教えていただいたガンの特効ツボに当てます。だいたい５０分は当てています。お二人もご自宅で毎日温灸をしていますが、それも同じような感じでしていただいています。
食事に関しては、基本は玄米菜食ですが、魚と鶏肉を少し食べたりはします。牛・豚といった四つ足の肉、ソーセージやウインナーなどの加工された肉、食品添加物や砂糖などは避けます。食事はよく噛んで腹八分、就寝３時間前までに食べ終わるようにします。
ガンは血行を良くして体温を上げることが大切なので、午前中は歩いたり、ストレッチをしながら家事をするとか、体調に合わせてなるべく体を動かします。午後は、温灸などの手当をします。そして早寝早起きで質の良い睡眠を心がけます。
ガンのような慢性病は生活全般を見直す必要があると思います。なのでこれまでの生活を紙に書いて、一緒に改善できることを考えます。
もちろん、本人の年齢や体力や家庭環境など、それぞれに状況が異なるので、押し付けることはしませんが、状況が厳しい場合ほど、やはりきちんと取り組む必要はあると思います。
ただ忘れてはいけないのは、生活全般を見直す時の動機です。ガンをより幸せに生きるためのメッセージと受け止めて、これから先どういう生き方をしたいかです。例えば玄米菜食にしても、家族はもし本人が亡くなった時に「好きなものを食べさせておけばよかった」となるかもしれないので、なかなか言えないと思います。
私自身、絶対に玄米菜食をしないといけないとは思っていません。なぜなら、玄米菜食をしないで治った人もいるからです。それこそ心一つで、治る遺伝子をスイッチオンにして、末期のガンを治した人もいます。
ガンになった原因も人それぞれですから、「こうしたら絶対治る」とか「こうしないと治らない」などどは言えません。
ただこれまで食事がデタラメだったとか、何をしていいのかわからない時は「多くの生還者がこういう食事をしましたよ」ということは有益です。そして何より大切なのは玄米菜食の命の世界と、まず悪いものを出して良いものを取り入れるという循環の世界に感動して、それを感謝して楽しんで取り入れているかです。その感動を伝えられるのは体験者だと思っています。
本当に厳しい玄米菜食は、それこそ鶏肉も魚も食べません。でも、ある人は「私は鶏肉が大好きだから、やっぱり食べたいです」と言って、気持ちよく食べて、抗ガン剤が効かなくなったガンを治しました。もちろん、ガンのメッセージをしっかり受け取り、生活を見直し、自分に合った自助療法をコツコツ実践して、心の問題にも取り組まれました。人に言われたことだけをするのではなく、楽しみながらご自分でも工夫されていました。
もちろん誰しもすぐに前向きになれるわけではありません。厳しい状況になると死への恐怖心で心ここにあらずになってしまいます。しかし、手当や生活面の改善など、自分でもできることがあることを知って、それに取り組んで、体調が少しでも良くなると希望も持てます。
そういう部分で、ビワ温灸はそのきっかけを作ってくれます。
体が少し楽になると、次の日もしようと思うし、コツコツ続けていると希望や自信につながります。
うちにいらっしゃるお二人も、自分でコツコツ取り組んで、それを体で実体験しながら、前向きになっているような気がします。
完治を目指してはいますが、今はまだガンは治っていません。でも普通に生活ができています。何より気持ちが前向きになられました。
６０歳の女性の方は、最近、娘さんから来年の春にお孫さんが誕生すると報告があったそうで、「孫の面倒をみるという新しい目標ができたから、また頑張ろうと思いました」とおっしゃっていました。
２２年前、私は病室で、希望のないまま亡くなっていく仲間たちと数ヶ月をともに過ごしました。私自身もステージ�靴凌聞團�ンだったので、自分の未来を見ているようで辛い体験でした。当時より医学が進歩したとはいえ、今もなおガンは簡単な病気ではありません。
だから体がちょっとでも元気になる、希望が見えてくる、そういう経験はしてほしい。そのきっかけとして、治った人の体験を聞いたりして、ガンがより幸せに生きるためのメッセージだと受け止めて、自分で取り組めることがあることを知ってほしいと思っています。
◎せらくいん（ご紹介はこちらです。）
長崎県長崎市田上１−８−１
ＴＥＬ：０９０−３６６１−５７１３
◎福浦さゆりさんの紹介記事
◎福浦さゆりさんの体験談 （ 『ビワと健康』 ２０２４年１１月１５日号）
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