乳ガンのひきつれが改善
長野県茅野市 牛山幸子 さん
乳ガンで左胸部を全摘手術した４０代半ばの女性は、手術の影響で左腕が上がらなくなっていました。友人の知り合いだったので施療を快諾したのですが、その手術痕はかつて見たことがない深さで、戸惑うほどでした。
一般的には手術後に腕を１週間ほど固定してからリハビリに移るのですが、この女性の場合はあまりに傷が深かったため通常の２倍、約２週間左腕を固定し、それからリハビリを行なうことになったそうです。
ところが、その２週間で筋肉が固まってしまったためひきつれが激しく、リハビリを始めようにも始められない状態で、病院側も困っていたのです。
私が施療を始めたときは手術から３ヶ月以上経過していました。
筋肉が固まっているので手は前方に水平に上がる程度で、それ以上は無理。
車の運転も左手の操作が困難で体ごと向きを変えたり、洗濯物を干すにも物干し竿を低くしたりと不便を強いられていました。
いきなり整体を行なうのは到底困難でした。
今できることは何か・・・と考えると、ビワ温灸で胸の周りを温めて軟らかくすることしか方法はありませんでした。
体全体が凄く冷えていて、とくに足は氷のように冷たくそのうえ硬かったので、足湯をしながらビワ温灸を行ないました。
うつ伏せになれないので椅子に座って施療するのですが、手を膝の上に置いておくのも辛いのです。
腕はまるで鉄腕のように重く、だるくて仕方ないそうで、同じ姿勢を続けるのが辛いため極力負担がかからぬよう私の肩に腕を載せてもらい、私は中腰の状態で施療しました。
そこまでしても暫くすると辛くなるのでだらりと垂らしたり、工夫しました。
１回の施療は４０〜５０分、１時間かかることもありました。
施療時間中ずっと足湯をしているのですが、本人は汗をかきませんでした。
ビワ温灸は腕のみでなく肩甲骨の周りや腋の下、腕全体と万遍なく行ないましたが、皮膚が薄くなっている患部には火傷する可能性があるので控えました。
ビワ温灸の威力はさすがで、初回から腕の重だるさが軽減しました。どこにどう置いても重かったものが楽になったので、希望が見えてきたのです。
月２回の頻度で施療しましたが、４回目でようやく汗が出るようになり、奇跡的に病院でのリハビリが可能になりました。
以来、リハビリの日は病院に行く前に決まって私の施療を受けました。そうするとリハビリが進むのだそうです。
１年かかって腕は６０度くらいまで上がるようになりました。しかし、それ以上はどうしても上がりませんでした。
病院から「これ以上は無理なので腋の下の筋を切る手術をしたい」と打診されたそうですが、本人はもう体を傷つけたくないという思いが強かったのです。
「それなら頑張りましょうよ」と励まし、その時からビワ温灸の後、ひきつれる部分に整体を施すようにしました。
指先の感覚で、筋を痛めないようデリケートな施療を続けました。
腕を上げたときにひきつれる箇所を手技でほぐすのですが、腕の内側のつれを取ると次は外側、外側を取ると今度は腋、腋が終わると次は胸、やがて１回りして再び腕がひきつれる・・・といった具合で切りがなく、１回の施療に２時間かかることもあって施療というよりは殆ど奉仕活動のようで汗だくになりましたが、私も必死でした。
初めのうちはビワ温灸にかける時間が長かったのですが、改善が進むにつれて整体の占める割合が多くなり始め、やがて大半が整体になりました。
手術から２年が経っていました。腕の可動域が拡がり、腋を切る手術をしなくてもよい方法を取ることになったのです。
一つの賭けだったそうですが、クッションが潰れている関節に人口の液体を注入してさらに可動域を拡げるというものでした。
この方法もうまく成功し、遂に何ら支障なく腕が上がるようになったのです。
病院側も通常６ヶ月で止めるリハビリを２年間続けたのは、少しづつ少しづつ腕が動くようになるものだから止めるに止められなかったというのです。
「もう来院しなくて良いですよ」と完治が告げられたとき、「実はビワ温灸と整体をしていました」と伝えると、「それは良いことだから続けてください」と言われたそうです。
大役が果たせたようで私もほっとしましたが、振り返ってみるとビワ温灸がなければ施療のきっかけすら掴めませんでしたし、当然リハビリも始められなかったわけで、本当にビワ温灸には感謝しています。
◎連絡先
長野県茅野市金沢甲４７８７
ＴＥＬ：０２６６−７３−４７４８
◎牛山さんの体験談はほかにもあります。
（ 『ビワと健康』 ２００６年９月１５日号）
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