犬のお腹の色素沈着がなくなった
兵庫県芦屋市 トータルペットケアｋａｂｓ 松浦結 オーナー
今回は犬のお腹の色素沈着についてご紹介したいと思います。犬のお腹の色素沈着というのはよくあるのですが、調べてみると、獣医学の中ではあまり焦点が当たってないようです。
脱毛してしまったりする子だと治療することもあるのですが、お腹などの色素沈着の場合は、もともとあまり毛が生えていないところなので、獣医の先生たちもそれに対して治療を行うということが基本的にないのです。
色素沈着の原因は、基本的には血行不良などなので、代謝を上げることによって改善します。また、犬のお腹の部分は毛が生えていないので、太陽の紫外線の影響もあるようです。
また、食事の影響もあって、合わない食べ物が続くと結構どす黒くなってくることがあります。ですから、食事改善も一緒にするのですが、食事改善だけよりもビワ温灸を併用したほうが、かなり早い段階で色素沈着がなくなっていくように思います。
例えばある子は魚の入っているフードが合わなくて、ある一定量を超えると色素沈着に変わりました。
それで、豚などの動物性の蛋白に替えると多少よくなるのですが、いつも少しシミが残っていました。ところが、ビワ温灸を併用することで、しっかりきれいになるという感じです。
お腹の色素沈着は、特に毛色が薄く、肌の色が白ピンク（犬の業界ではピンクスキンといいます）の子に多いイメージがあります。毛の色が黒などの色素がすごく濃い子の場合はあまり出ません。
また、そういう子たちは他の部分でも原因不明の赤みを伴うような痒みが出ることが多いのですが、そういう痒みに関してもビワ温灸を使うと治まりやすいようです。
熱を入れるので、痒いところがもっと痒くなリそうな感じですが、赤みが引いていきます。そういう痒みの場合、毛がないところにはエキスも使います。
実は、最初からビワ温灸が色素沈着に効果があると考えていたわけではなくて、どちらかというと痒みのために使ったのがきっかけになっています。
人間でもアトピーの子にビワ温灸を使うと効果があると聞いていたので、痒みのある子にはビワ温灸を勧めています。すると、痒みが引いてよく眠れるという報告をよく聞いていました。
それで、皮膚のトラブルが多くて、お食事の指導のために来ていた子にビワ温灸をかけてあげたところ、飼い主さんが「お腹の黒ずみが消えている。なんかピンクになっていますね」と言ったのです。
もう一つのケースは以前から来ていた８歳のトイプードルの女の子です。この子は逆に色素沈着はありませんでした。ただ、すごい冷え性と薄毛で悩んでいて、うちの外注先の施設に毎週２回来ていました。
常にお洋服を着ているのですが、犬のお洋服はお尻の部分が出てしまいます。でも、そこのお肌が汚いなどということはなかったのです。
ところがコロナのため、その施設が２ヶ月間閉鎖されてしまいました。すると、その２ヶ月間でお尻の部分に黒ずみが出たのです。
お腹と違い、背中の部分の黒ずみは、人間で言えばシミというより毛穴の黒ずみのような感じです。肌全体がどす黒く見える感じになります。
それで、またビワ温灸をするようになったら、その黒ずみがなくなりました。たぶん、その子はもう高齢だったので、放っておけばシミが出る状態だったのでしょう。それが、ビワ温灸によって防がれていたのだと思います。
ビワ温灸ができなかったことで、逆にビワ温灸の効果が確認できた少し珍しいケースでした。
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（ 『ビワと健康』 ２０２４年１月１５日号）
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