不妊治療にビワ温灸が有効
徳島県徳島市 東洋医学整体所 豊田整体 豊田透 所長
最近は結婚年齢が上がり、30代で初婚という方も珍しくありません。
しかし年齢とともに、妊娠しにくくなるのも現実です。そのため、不妊治療を受けている方は少なくありません。そういう方にはビワ温灸が効果的です。
当施術所にも、ご夫婦一緒にいろいろなところに行ったけれど子宝を授からなかったという患者様が、「あそこに行ってみたら」と勧められ来所してくださっています。
こちらでは、ビワ温灸と整体を組み合わせた施術でたくさんの方が懐妊されました。
中には、最新の治療法であるホルモン治療を受けている患者様もおられ、この方はホルモンのバランスが変わってしまっているためか、受精はしても残念なことに着床にいたりませんでした。
さて、ここで30代になるAさんのことをお話ししたいと思います。
Aさんはとても色白で細身、声が小さく骨盤も小さい、東洋医学の証からすると虚証、いわゆる虚弱体質の方でした。
周囲から「子供はまだなの?」と責められ、初めての問診時はもう涙、涙でした。
私もこの方は少し難しいかな、と思ったのですが、「信じて、ちゃんと通うんだよ」と言って、施術をさせてもらいました。
その結果、見事に3回目か4回目の施術で妊娠されました。施術は排卵日を重要視して行っているのです。妊娠が分かった月から逆算して、3回目か4回目の施術の日にタイミングがとれたのです。
骨盤を動かすことが大切
大切なことは、骨盤がよく動くようにして、血流を改善するということです。今、よく骨盤を締めるのがいいというような風潮がありますが、締めるだけが能ではありません。骨盤を締めることも大事ですが、開けてあげることも大切なんですね。
骨盤がよく動く、つまりちゃんと開いたり締まったりする環境を作ってあげる事が重要なのです。
あまり知られていませんが、女性の骨盤は1か月の周期の中で、2週間かけて開いていきます。これが月経の時です。それから、今度は2週間かけて締まってきます。これが排卵日です。
健康な女性は骨盤がきれいに動いているのですが、骨盤の動きが悪い方は中の血流が悪くなってしまいます。
そこで骨盤がよく動くようにしてあげるのですが骨盤の仙骨と腸骨の間には仙腸関節があり、ここが動かなければ骨盤が開きません。そのために骨盤矯正、仙骨矯正を行います。
それにプラスして、骨盤の動きが悪い方というのは子宮を支える骨盤底筋の辺りの硬い方が多いようです。そういう方は矯正とかストレッチで軟らかくします。そして、最後にビワ温灸で経絡を整えてあげるのです。
妊娠は子宮でします。子宮というのは「子の宮」と書くぐらいですから、フカフカのベッドを用意するようなイメージなんですね。
血流不足がすべての原因なので、骨盤がよく動くようになり、血流さえ改善されれば、卵管に病気があるとか、よほどの事情がない限り大抵の方が懐妊されます。
生理痛にも効果が
骨盤がよく動くというのは大切なことで、たとえば帝王切開などとも関係があります。帝王切開をするのは子宮口が開かないからです。では、なぜ子宮口が開かないかというと仙骨が下がらないからです。ですから、腰の悪い人は妊娠しても、仙骨が下がらないので子宮口が開かず、帝王切開をすることになります。
最近は、30代半ばでの出産になると、何かトラブルがあってはいけないからと帝王切開をされる先生が多いようです。
しかし、狭い産道を通って生まれるのが本来の人間の姿なので、骨盤の矯正や、骨盤の筋肉を温めるためのビワ温灸がとても大事です。
また、これは生理痛とも深く関わっています。
先ほど申し上げたように、月経の周期とともに骨盤は二週間かけて締まったり開いたりしています。
しかし、骨盤の動きが悪いと血流が悪くなり、俗にいう鬱血状態になってしまいます。東洋医学でいう気血水がきれいに回ってない状態です。そういう方は生理痛が強くなりがちです。
そして、大抵の方が便秘気味です。さらに、50歳ぐらいになると更年期障害へとつながっていきます。
生理痛がつらく鎮痛剤を飲んでいるという方は結構いらっしゃいます。痛み止めを飲まないと我慢できないとおっしゃいますが、整体とビワ温灸で骨盤を動きやすくすると、薬を飲まなくても大丈夫なぐらいに改善されます。
仙骨の周りや、女性ホルモンと関わりの深い風池や瘂門、天柱などの首のツボが効果的です。
社会問題という面も
妊娠、育児は、社会問題という側面もあるのではないでしょうか。現代の女性は、公私ともども活躍されている方が大勢いらっしゃいます。キャリアを持ちながら子供を授かりたいという方が少なくないのですが、子宝が欲しいときは、できるならばいったん仕事を離れた方がよいかもしれません。そうすることによりストレスが少なくなり、精神の緊張がほぐれ、その結果腹部の緊張も取れ、妊娠しやすい体質になります。
しかし、これは今の社会ではとても難しい状況です。西洋医学最先端の治療を受けていたBさんもすごいキャリアの持ち主でした。しかし、そのキャリアから離れると二度とその仕事にには就けないため、仕事と子宝を両立させたい、ということで不妊治療を頑張っておられるのですが、お立場上そうとうなストレスを抱え、自律神経が緊張しきった状態でした。
思いやりある環境をつくっていくことは、これからの社会に与えられた課題でもあると思います。
とはいえ、追い詰められ涙にくれてお越しになった方々が無事に妊娠し、笑顔で「先生、うれしい、よかった」とおっしゃる姿は私たちにとっての力になります。
虚弱体質で妊娠は難しいかなと思ったAさんも二人の子供をを授かり、「もう一人欲しいです」と、一生懸命頑張っておられます。
不妊治療を受けている方々には、ぜひビワ温灸をお勧めしたいと思います。
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◎「東洋医学整体所 豊田整体」に関する体験談 ( 『ビワと健康』 2020年7月15日号)
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