メニエール病にビワ温灸
宮崎県都城市 癒し所・Ｒｉ・ｋｙｕｕ（利久） 飯田理津子 代表
今年４月のある朝、近所に住む姉（４８）から「ちょっと具合が悪いんだ」とメールが入りました。心配になって電話をかけると「立てない」との返事だったので慌てて訪ねたところ、姉は激しい目まいと吐き気に襲われ、腕にも痺れが出て苦しんでいました。
まさかそんな状態になっていようとは一緒にいるご主人（義兄）も気づいていませんでした。
朝方、「ちょっと具合が悪いから横になっとくね」というのでご主人が「病院に行く？」と尋ねると「寝てれば大丈夫」との返事だったそうで、さほど気に留めず表（整備工場）で仕事をしていたのです。
食べたものを戻しており、「トイレに行きたい」というので起こそうとしても、動かすと目まいと吐き気で激しく辛がるため、私たちは「もしかしたら脳の病気かもしれない・・・」と判断し、救急車を呼びました。
二人して救急車に乗り込み姉を励まし続けました。姉はとにかく辛いらしく救急車の中でも戻してしまう有様でした。
脳神経外科に到着し、トイレにも行けない状態のため管を通して検査を受けることになりました。
ＭＲＩによる検査の結果「脳には異常がない」との診断が下りました。
しかしあまりに症状がひどいため２、３日様子を見る意味で急きょ入院となりました。
薬は精神安定剤と睡眠薬が処方され、吐き気で食事が取れないため点滴が続けられました。
医師の見解は「年齢的にみて疲れが出たんじゃないかな。春は多いから」というものでした。
入院３日目、担当医から「ここに居ても家に居ても一緒ですし、特に治療はないのでご自宅でゆっくり回復を待たれた方が良いのではないですか」と言われ、まだ何も食べることが出来ず、立つこともおぼつかない状態ながら退院することになりました。
我々も色々調べてメニエール病を疑い、耳鼻咽喉科に連れていくことに決めました。ただ、本人が「目が回るから無理」というので退院日はそのまま帰宅し、翌日連れていきました。
耳鼻咽喉科では「メニエールかな」と言われ、持参した脳神経外科で処方された薬を見て「それを飲めばいいですよ」とのことでした。
これほど辛がっていても安静にしているしかないと知り、私は『こんなときこそビワ温灸だろう』と考え早速この日から姉の家に出向いて当て始めました。
寝ている状態でも頭を左右に動かすと目が回るため寝返りすら打てず、姉はじっと上を向いていました。
しかも精神安定剤を服用していた姉は半分寝たような状態で、ビワ温灸を当て始めても熱が浸透して熱く感じて温灸器を移動させるタイミングの「ハイ」という返事すら出来なかったため熱くなる手前、大体１５秒を目安に移動させて当てていきました。
頭の上部から首筋、耳の周辺にかけて何度も繰り返し、気がつけば１時間が経っていました。
翌日も同様に丁寧に当てました。この日は薬を服用しておらず意識ははっきりしており、温灸が終わるや否や「頭が動かせる」と嬉しそうに話してくれました。
もしかしたら・・・と思って持参したおじやも僅かに一口、二口でしたが口にしてくれました。倒れてから５日目にしてようやく食事が出来たわけです。
毎日ビワ温灸を続けるうちに姉の症状は順調に回復に向かい「軽くなった」と喜んでくれました。
ビワ温灸を始めて３，４日で布団の上に座れるようになり、１週間で「まだ頭がボーッとする」と言いつつも、食事も普通に取れるようになりました。
ビワ温灸を当てる中で左肩から首筋にかけて（耳の後ろ側）の範囲が非常に硬くなっているのが分かり、指で押さえると頭にズーンと響く感覚があって、姉は「重い」と表現しました。
ビワ温灸を当てることでその箇所がほぐれ、血流が良くなり軽くなっていった様子でした。
病院で何ともできなかったものが、まさかビワ温灸でみるみる回復に向かうとは・・・。姉も予想していなかったらしく、それからは少しでも肩が凝り始めるとうちに来て「ビワをして」と言い、腰が痛いときにも予防の意味でビワ温灸を所望するようになりました。
私が姉に初めてビワ温灸を当てたのは指導員の資格取得を目的に練習役になってもらったときでした。こうして実際に辛い症状の改善に用いることが出来て、本当に良かったと感じています。
この件をきっかけに姉はビワ茶も飲むようになり、毎日元気に過ごしています。
◎癒し所・Ｒｉ・ｋｙｕｕ（利久）
宮崎県都城市高城町桜木３２６−１
ＴＥＬ：０８０−４２８６−１９６６
◎「癒し所 Ｒｉ・ｋｙｕｕ（利久）」に関する体験談 （ 『ビワと健康』 ２０１０年１１月１５日号）
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