リウマチによる膝の腫れと痛みが緩和
大阪府東大阪市 中澤鍼灸院 中澤隆 院長
一昨年の８月下旬、膝が痛いので何とかならないか、ということで７０代の女性が来院されました。膝の周辺が表も裏も痛く、炎症を起こしているようで、熱っぽい感じがあり、ちょっと腫れもありました。最初聞いた話では、リウマチでお医者さんにかかっていたが、お薬の量が軽減され、あまり治療には行っていないということでした。それで本人にも確認の上、鍼での施術をすることにしました。
ところが、１ヵ月ほど続けた頃に再び詳しく話を聞いたところ、今も２週間に１回はお医者さんでリウマチの注射を受けているとのこと。それで、こちらとしても方針を変更することにしました。
冷え性がひどいということもおっしゃっており、疼痛もそこに関係していることが考えられました。そこで、季節的にも秋から冬に向かって冷えていく時期ということもあり、疼痛緩和を含めたビワの温熱による治療を提案させてもらいました。
すると「ビワって、庭に生えているビワのこと？」と大変興味を示され、「おもしろそう」と言って施術を希望されました。もともと健康志向の方のようで、ビワの効能についてはご存じなかったようですが、自然のものを使った療法ということで乗り気になったようです。そこで、医師によるリウマチ注射は継続したままビワ温灸を行うことになりました。
施術に当たっては本部にも相談したのですが、リウマチに直接効果があるというよりは、体質が改善されることによってリウマチがどの程度改善されるかということで、患部にはあまりやり過ぎない方がいいということでした。
それで、冷え性の改善と疼痛緩和を主眼とし、患部にはサラッとするだけで、腰背部と腹部を中心に施術しました。足部については、膝が痛いということでしたので、下腿の婦人のツボ、例えば三陰交や復溜（ふくりゅう）、太谿（たいけい）、それから三里など外側のツボを中心に行いました。すると顔が赤くなってきて、「ポカポカするわ」とおっしゃるのです。最初は週に１回か２回来院されていたのですが、何か体調がいい感じだとおっしゃっていました。特に腹部にビワ温灸をすることによって内臓関係の働きがよくなり、体質が改善されてきたように思われました。さらに続けるうちに、膝の腫れと痛みがなくなってきたのです。２ヵ月ほどすると、リウマチの話もしなくなりました。「ちょっと膝が痛いの」と言ってきて、数値が上がったのかと心配したことが１、２回あったぐらいです。冷え性も、以前よりよくなったとおっしゃっています。
これについては、痛みを中心にした治療ではなく、お腹も含めて全体の改善を主眼とした治療と考えたのがよかったのかなと思います。特にリウマチのような病気を持っておられる方は、全体のバランスがいいという情況が一番いいのではないでしょうか。
今も週１回来院して施術をしているのですが、とてもビワが気に入って、ビワの苗をもらって鉢植えにしたり、ご近所の方からビワの葉をもらって焼酎漬けにしたり、お茶やお風呂に使ったりと、すっかりビワのファンになっています。
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◎「中澤鍼灸院」に関する体験談
（ 『ビワと健康』 ２０２０年３月１５日号）
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