圧迫骨折の痛みが取れた
大阪府東大阪市 中澤鍼灸院 中澤隆 院長
圧迫骨折による腰の痛みが取れた女性（９０代前半）がおられます。この方は昨年４月１１日に圧迫骨折し、その際、骨粗鬆症と言われたそうです。
当院に来られたのは同年９月です。それまでは整形外科でリハビリをしておられました。
ところが半年近くリハビリに通っても一向に痛みは取れず、当初は鍼治療を希望されての来院でした。
年齢は９０歳を過ぎていますが、お好み焼き屋さんをされていて、現在でも昔からのお客さんをメーンに週１、２回お店を開けておられるというのです。
お好み焼きを作る最中、立っているだけでも腰が痛く、普段、何もしていない時でも痛みが出ることがあると仰っていました。
希望に沿って鍼治療を始めましたが、１ヵ月弱が経った時点で「治療を早める目的でビワの施術もされますか？」と尋ねてみました。
当院にはビワ療法による改善例やビワ温灸器のポスターなどを掲示しているので、それを見ておられたようで「ビワって昔から聞くよねえ、それやったら一遍やってみようかな」とのことでした。
ただ、ビワ温灸は保険診療ではないので実費で支払うとなるとそれなりの負担になります。
ある程度抑えた金額設定であっても頻繁に受けるのは大変でしょう。
なるべく時間を空けず、かつ負担を抑えることも考慮して月曜日と金曜日の週２回としました。しかも、１回は２０分もう１回は４０分の施術として提案させて頂きました。
週２回の施術が奏功
１０月半ばからその形で始めましたが、初めは痛みが取れる様子はありませんでした。それでも「まだ腰は痛いけど、とにかく気持ちがいい」と仰って、体にいい感覚はあったようでした。半月から１ヵ月くらいはその状態で、寒くなってきたので施術時間を増やしたりもしました。
年内いっぱいは週２回の施術を続け、１月になるともっと寒くなって通うのが大変なので週１回にすることとしました。
結果的には、週２回続けたことが奏功しました。
１１月に入って「腰が痛くなくなった」と仰ったのです。劇的な改善でしたが、少しして圧迫骨折とは異なる部位に、だるさが出てきました。
坐骨神経痛を思わせる症状の痛さやだるさが左の臀部と下肢（太股の裏側）に出てきたのです。
これには臀筋と太股の裏側を重点的に当てていきました。やはりビワ温灸を当てると楽になり、次回来られたときは必ず「楽ですわ」と仰っていました。
１１月末には「お陰様で腰の痛みはなくなりました。だるさは少し残っていますが」とのことで、以前のように常時痛いということではなくなっていました。
鍼治療もピンポイントで入れたことも相乗効果をもたらしたと思いますが、明らかにビワ温灸をスタートした時点からの体の感じが変わってきたので改善に大きく貢献したといえます。
また、患部への局所的な治療だけでなく、腹部にビワ温灸を施したことも良かったと実感しています。
彼女はご高齢ながら銭湯がお好きで通っておられます。１１月後半辺りから、お風呂仲間から「あんた体がシャキッとしてきたね。体が真っ直ぐになってきてる。顔色もようなったよ」と褒められたそうです。
こんな彼女も１１月末から１２月にかけて、すごく顔を歪めて来られるときがありました。
左側の臀筋辺りから痛みが出てきて、「昨日は物凄い痛かったんやわ」と言われ、施術によって楽になるということが何回かありました。
息子さん夫婦にも「お母さん、あんなに痛い痛いって言ってたのに最近言わんね」と言われたそうです。
施術のポイントとしては、圧迫骨折の痛みは患部が中心でしたが、血流の滞りが考えられるのでビワ温灸が合っていたと感じます。
あとは仙骨の際、「環跳」のツボ、臀筋の硬い所を集中的に当てたりしました。
痛みがなくなったときから信頼度が上がりましたが、多くの人が２〜３週間治らないと「やっぱり良くならないわ」と止めてしまいがちです。
彼女も痛みが続いていた頃は不安もあったでしょうが、当院の患者さんであるお友だちから「ビワは続けなあかんよ」と助言され励みになったそうです。
腹部に硬くなっている部位があったので、やはり奥に血流の滞りがあったのではないかと思います。
ひどい便秘ではないものの治療を始めてからは「毎日お通じがある」と仰っているので、不規則なところがあったのだろうと推察できます。
鍼灸が足掛かりとなり、うまくビワ療法との併用が良い結果に繋がった症例だと思います。
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◎「中澤鍼灸院」に関する体験談
（ 『ビワと健康』 ２０１８年２月１５日号）
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