秋田犬のぶどう膜皮膚症候群が改善
北海道恵庭市 はり灸 樂真呂 及川真澄 院長
ぶどう膜皮膚症候群で両目を失明したワンちゃんが、2回程度のビワ温灸の施術で改善し、片目が見えるようになった事例をご紹介します。この子は6歳のオスの秋田犬です。昨年の12月18日の朝、右目が開かなくなり、左目も白目をむいて座り込んでいたそうです。
近くの動物病院で診察してもらうと、結膜炎ということで目薬を出されました。でも、動きもおかしいよねといことで、大きな病院に連れて行くと「ぶどう膜皮膚症候群」と診断されました。
このぶどう膜皮膚症候群というのは秋田犬に多い自己免疫性疾患だそうです。メラニン色素を含む細胞に対して自己免疫が攻撃してしまうという疾患で、眼や皮膚、特に眼に異常が現れ、最悪は失明するという恐ろしい病気です。
病院での治療はステロイドの点眼や結膜下注射、または全身性のステロイド、免疫抑制剤の投与などですが、こういった治療を行っても症状が進行して失明してしまうことも少なくないといいます。
また完治は困難なので、生涯に渡わたる治療管理が必要になるそうです。
この子の場合、病院ではステロイド剤1日8錠と目薬を処方されました。
ただ、以前、飼い主のご家族が体調を悪くされた時、ステロイド剤を打ったら副作用の方が悪くなったという経験があり、このままステロイド剤を続けたら逆に悪くなるんじゃないだろうかと心配されたそうです。
それで、何かないかといろいろ調べ、インスタグラムでうちのことを知ったそうです。うちは恵庭市で、この方は隣の千歳市に住んでいるのですが、ちょうど近くにあるということで訪ねてこられました。初めていらっしゃったのは12月24日。その時にはもう目が見えなくなっていて、普段は家族の車が家に着いたら玄関まで迎えに来るのに、それもしなくなったということでした。
それで1回目の施術をしました。本当は首周りをしっかり当ててあげたかったのですが、家族以外の人が触ろうとすると「ガウッ」と言って噛みつく可能性があるということだったので、そこは様子を見ながら当ててあげるという感じになりました。
それで、家族の方に押さえていただいて、最初は背中のあたりから全身に温灸をかけて、それから首周り、人間でいえば亜門とか天柱のあたりに当ててあげました。
顔の前面はできる時にしてあげるということで、あまり眼の周りを中心に直接当てるということはしませんでした。ただ、眼なので肝臓や腎臓についても当てていきました。
ご家族としては、とりあえず自己免疫力や副作用を抑えたいというお話だったので、全体的にかけていったのですが、秋田犬はすごく大きいので1時間ぐらいかかりました。
ワンちゃんも、最初はご挨拶で「ウー」と唸りましたが、気持ちがいいのがわかると寝ちゃっていました。
その日の夜、「表情が穏やかになった」というLINEをいただきました。2回目の施術は12月28日でした。やはり1時間ぐらいビワ温灸をかけたのですが、施術後、ご家族が「なにか見えているような気がする」とおっしゃっていました。
そして12月30日に動物病院に行って検査をすると「左目は見えていますね」と言われたそうです。
その後も1月2日、10日と週に1回のペースで施術をしました。調子がいいので、病院からは薬の量は減らさないようにと言われていたのですが、自分たちの判断で減らしていたようです。
17日にも施術をして、ご家族は「右目も見えてきたんじゃないかな」と言われたのですが、翌日動物病院に行くと「右目は見えていないです」と言われたそうです。左目については「まだ見えてる状態が続いていますね」と言われました。
その後も1月23日、2月1日と施術したのですが、調子が良くなって、30分も温灸すると体が温まり、ワンちゃんも「もういいよ」という感じになりました。
それで、それ以降は施術を2週間に1回にしました。しばらくは調子がよかったのですが、3月半ばになると、またちょっとステロイドの副作用によるむくみなどが出てきて、目が開かない状態になりました。それで、予約は3月15日だったのですが、これはちょっと早めに受けたほうがいいということになって、3月13日にいらっしゃいました。
温灸をすると目がばっちり開いて、飼い主さんも「やっぱり温灸をすると調子がいいね」とおっしゃっていました。
飼い主さんとしては、本当は両目が見えたほうがよかったけど、左目をこれ以上落とさないように温存して、右目は諦めるわけではないけれど、これ以上悪くならないように予防という形でできたらとおっしゃっています。
私も最初は「時間がかかるかも」という話はしていたのですが、結構ハッキリ結果が出たので、よかったなと思っています。
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( 『ビワと健康』 2026年5月15日号)
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